カテキンは体にいい効果をもたらすと言われ、カテキンの力が注目されています。
カテキンの効果が大きいことが広く知られてきているため、茶カテキンを全面に押し出した健康飲料や健康食品がたくさん出回っています。
『カテキンの効能にはどんなものがあるのでしょうか?』
『茶カテキンは私達の身体にどんな効果をもたらすのか?』
今回はカテキンの効能についてやっていきましょう。
【カテキンの効能】えっ!?こんなにあるの!?知られざる茶カテキンの効果!!
まず、本記事で触れるカテキンの効能を箇条書きでお答えしましょう。
・抗酸化作用
・糖尿病や高血圧等の生活習慣病予防
・がん予防
・風邪やインフルエンザ等の感染症予防
・強力な殺菌力で粘膜を保護し、抵抗力を上げる
・虫歯・口臭予防
・花粉症やアトピー等のアレルギー症状を抑制
どうでしょう?
こんなにあるんですよ!
カテキンの効能は大きく2つに分けると理解しやすいです
キーワードは抗酸化性と吸着性です。
抗酸化作用
活性酸素が体の中で悪さをする
カテキンが持つ抗酸化性とは、生体酸化を防ぐ作用のことを指します。
人を含む動物はすべて呼吸によって酸素を取り入れ、脂や糖などの高分子物質を分解しながらエネルギーを得て生活しています。
食事から摂取した脂は、脂肪酸とグリセリンに分解されます。
グリセリンは糖と同じようにエネルギーとして使われます。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和とは、炭素と炭素の結合に二重結合が入っていて不安定な脂肪酸のことです。
不飽和脂肪酸は二重結合があるため酸化されやすく、体内で過酸化脂質を生成し、活性酸素を生じます。
活性酸素は、脂質と反応してさらに過酸化脂質を連鎖的に生み出し、これによって、動脈硬化が進行したり細胞ががん化したりするなど、さまざまな健康障害の要因となります。
カテキンの抗酸化作用で活性酸素をやっつける
近年の日本の食生活は欧米化し、脂質の多い食生活に変化しているのでとくに注意が必要ですが、じつは食事に気をつけていても、呼吸で取り込む酸素の約2%が体内で活性酸素に変化しています。
カテキン類には、こうした生体の活性酸素を消去する作用があり、これを抗酸化作用と呼んでいます。
エピガロカテキンガレートのものすごい抗酸化力
とくにカテキン類の中でも、強い抗酸化作用を持つのが、エピガロカテキンガレート(EGCG)で、その作用は抗酸化物質として知られるビタミンEの20倍、ビタミンCの80倍と言われています。
カテキンが生活習慣病やがんを防ぐ
カテキンが持つ抗酸化作用によって、発がん抑制作用、悪玉コレステロール(LDL)上昇抑制作用、血圧上昇抑制作用などがあることが明らかにされています。
カテキンはポリフェノールの1種であり、茶には4種のカテキンが含まれています。
先のエピガロカテキンガレートをはじめとするエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)エピガロカテキン(EGC)であり、これら茶葉中の含有率は10~20%、なかでも強い抗酸化作用を持つエピガロカテキンガレートがその約半数を占めています。
カテキンは緑茶、紅茶、ウーロン茶にたっぷり含まれている
この4つのカテキンは、緑茶、紅茶、ウーロン茶に共通するものですが、含まれるカテキンの種類は茶種によって異なり、緑茶にはエピアフレゼキンやエピガロカテキンーメチルーガレート、エピガロカテキンー3-O-ガレート(メチル化カテキン)など、さまざまな化学構造のカテキン類が数十種類見出されています。
紅茶やウーロン茶は、発酵過程でカテキンが酸化重合して転換するテアフラビン、テアフラビンー3-ガレート、テアシネンシンなどが見出され、100種を超えるカテキン類が存在すると言われています。
緑茶、紅茶、ウーロン茶は同じチャからできていますから、納得できますよね。
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カテキン=ポリフェノール
カテキンの種類による効果の大小はあっても、これらの効果ほぼ同じです。
カテキン類は抗酸化作用で知られるポリフェノールの一種のため、その働きはポリフェノールによるものと考えて問題ありません。
茶に含まれるカテキンであるのと同様に、赤ワインにはアントシアニン、柿にはシブオールと、ポリフェノールもさまざまな種類が存在します。
ポリフェノールとは?
ポリフェノールの『ポリ』はたくさんの意味で、たくさんのフェノールがあるという化学構造になっています。
6個の炭素原子が六角形状に配置されたベンゼン環に抗酸化性(活性酸素やフリーラジカルを安定した物質に変える)を持ったヒドロキシ基(OH基)が結合しているのがフェノールで、これをたくさん持っているのがポリフェノールです。
ポリフェノールには、空気中の酸素と結合しやすい(酸化されやすい)性質があるため、身体にとっては活性酸素などによる酸化から身を守ってくれる強力な抗酸化作用があるということになるわけです。
また、最近メディアでは紅茶ポリフェノール、ウーロン茶ポリフェノールという言い方をされているようですが、これは紅茶、ウーロン茶に含有されるポリフェノールのことであって、化学構造はそれぞれ少し異なりますが、その働きはほぼ同じです。
紅茶は、カテキンが二分子結合して生成したテアフラビンを含みますが、これもカテキン類と同じような作用を示します。
吸着性
風邪やインフルエンザを予防
一方、もう一つの吸着性の作用には、感染予防、口臭・体臭予防、アレルギー症状の緩和などが挙げられます。
風邪やインフルエンザ、病原性大腸菌O157など、感染症の予防作用です。
インフルエンザを撃退
とくにインフルエンザウィルスの消去には高い効果を発揮することが証明されています。
インフルエンザの感染は、鼻や喉の粘膜細胞にインフルエンザウィルスが付着し、細胞内で増殖することで起こりますが、このとき、ウィルスは細胞の表面にスパイクと呼ばれる突起で粘膜細胞と結合しています。
カテキンは、その構造の中にOH基をたくさん有しており、これがこのスパイクを被覆し、ウィルスと細胞の結合を阻止するのです。
ものすごい殺菌力
昭和大学の島村名誉教授の臨床実験では、家庭で飲む緑茶の濃度(2%)から4分の1に希釈した抽出液にインフルエンザウィルスを加えて5秒間撹拌し、シャーレの培養細胞上に添付したところ、すぐにインフルエンザウィルスが消滅したことが確認されました。
その後の実験で、緑茶のカテキンよりも、酸化重合している紅茶のテアフラビンのほうがより殺菌性が強力で即効性も高いことが判明しています。
粘膜を潤わせ、抵抗力を上げる
さらに、紅茶の抽出液でうがいしてインフルエンザを予防できるかどうか、297人の被験者を対象に0.5%希釈の紅茶エキス100mlで1日2回のうがいをする人と何もしない人とで5か月間おこなった臨床実験では、何もしなかった人の感染率が48,8%だったのに対し、紅茶エキスでうがいした人は35,1%と有意な差が認められ、紅茶うがいでインフルエンザウィルスを阻止しうる可能性が示唆されました。
うがいの仕方によっても個人差が出てしまうところがありますが、カテキン、テアフラビンに強い殺菌効果があることに間違いなく、しかもインフルエンザの型に関係なくその効果を発揮することも証明されています。
カテキンによって粘膜が潤い、抵抗力がつくことで感染しにくい身体を作ることができます。
虫歯予防、口臭予防効果
カテキンの吸着性は、虫歯予防や口臭効果など、口腔内でも大きな効果を発揮します。
お茶に含まれるフッ素には、歯のエナメル質を溶けにくくし、溶けだしたミネラルを再び沈着させて歯の表面を修復する作用もあるため、食後に緑茶やウーロン茶を飲むだけでなく、口をすすげばさらに効果が高まります。
アレルギー症状を抑制
また、カテキンの吸着性により、花粉症などのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える効果もあります。
カテキンには炎症抑制効果もあり、つらいアレルギー反応が出てしまった後でも、粘膜の炎症反応を早く落ち着かせる方向に導きます。
べにふうきのアレルギー症状改善効果
もともと紅茶用の品種として開発されたべにふうきの緑茶は、アレルギー症状の抑制効果があることで知られています。
カテキンの中でももっとも強い殺菌作用をもつエピガロカテキンガレート(EGCG)と、アレルギーの初期反応を抑制するエピガロカテキンー3-O-ガレート(メチル化カテキン)がほかの緑茶より多く含まれ、さらにヒスタミンを抑制する抗アレルギー成分のストリクチニンも含有しているのが特徴で、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状の改善効果が期待されています。
皮膚に塗っても効果あり!?
また、アレルギー症状のつらいかゆみを抑えるには、お茶として飲むだけでなく、皮膚に塗布したり、目を洗浄したりすることでも緩和されると言われています。
粉茶タイプのものが含有成分を丸ごと摂取できるので、メチル化カテキンを効率よく摂取できます。
糖尿病の予防
糖尿病の予防でもカテキンの吸着性が発揮されます。
カテキンを摂取することにより、消化管内の糖質分解酵素(アミラーゼなど)の働きが阻害されます。
これにより、でんぷんなどから吸収しやすいグルコースなどへの分解が抑制されるため、糖質の急激な消化吸収を遅らせることができます。
ブドウ糖を含む糖負荷試験では、一時的に血糖値は上昇しても、カテキンの含まれるお茶をのむことですぐに下がることが認められています。
なお、お茶を飲むことにより茶成分のカテキンは小腸の膜を通って吸収されて血液に入ります。
これはアミノ酸などと同じ挙動ですが、その吸収される量はごくわずかだとわかっています。
カテキンを効果的に摂るにはお茶をよく飲むこと
さらにカテキンは、本来私たちの身体を構成する成分ではないので、体内に入ると異物として認識されます。
そのため、血液に入ったカテキンが体内を巡って腎臓にくると、ここでグルクロン酸という物質と結合してグルクロン酸抱合体としてすぐに排出されてしまうことがわかっています。
カテキンを摂取後、体内に留まる時間が3~4時間のため、カテキンのさまざまな健康効果の恩恵を十分にうけるためには、毎日お茶をこまめに摂取することが肝心です。
まとめ
・カテキンの効果は以下のようなものがある
・抗酸化作用
・糖尿病や高血圧等の生活習慣病予防
・がん予防
・風邪やインフルエンザ等の感染症予防
・強力な殺菌力で粘膜を保護し、抵抗力を上げる
・虫歯・口臭予防
・花粉症やアトピー等のアレルギー症状を抑制
・カテキンは体内に留まる時間が短いため、お茶をこまめに飲むことが大事
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