お茶はチャというツバキ科の植物からできています。
実は、緑茶、紅茶、ウーロン茶は同じチャの茶葉からできているんです!!
ちょっとびっくりですよね。
『同じ茶葉からできているのに、どうしてあんなにも色や味や香りが違うのでしょう?』
『緑茶、紅茶、ウーロン茶の製造工程にはどんな謎が隠されているのでしょうか?』
今回は、緑茶、紅茶、ウーロン茶の違いについてやっていきましょう!
【緑茶 紅茶 ウーロン茶 違い?】緑茶と紅茶とウーロン茶の違いを徹底解剖!!違いは製造法!?
実に不思議です。
同じ茶葉からできてるのに、色も味も香りもまったく違う。
こんなことがどうして起こるのでしょう。
作り方で色も味も香りも変わる!?
お茶の作り方を簡単にお話ししておきましょう。
本来、チャの茶葉は鮮やかな緑色をしています。
これを、摘んだあとに蒸気をかけて茶葉の中の酸化酵素が働かないようにすると、葉の色は緑色のままの緑茶になります。
しかし、摘んだ茶葉は揉む(揉捻)と茶葉中の酸化酵素が茶成分であるカテキンを酸化させることで、茶葉は茶色に変色し、紅茶となります。
そして、このカテキンの酸化を途中で止めると、ウーロン茶になるのです。
このように緑茶、紅茶、ウーロン茶は共にもとの樹は同じで、同じ茶葉でありながら、製法の違いによって風味のまったく異なるお茶となります。
もちろん品種によって緑茶に適した茶葉、紅茶に適した茶葉などがありますが、味はともかく理論上は、ダージリン緑茶、宇治ウーロン茶なども作れるわけです。
実際、日本の緑茶用品種『やぶきた』を使って、近年は和紅茶も作られています。
淹れたときの液の色は紅茶らしい色をしていますが、カテキン含量が少ないために、飲み口はパンチの弱い紅茶となります。
反対に、インドやスリランカのアッサム種で緑茶を作ると、緑色のキレイな茶葉になりますが、カテキン含量が高く、アミノ酸含量が少ないため、うま味の少ない、渋い緑茶となります。
それぞれに適した品種と栽培法が行われているので、緑茶、紅茶、ウーロン茶のいずれにも加工・製造はできますが、風味は異なったものとなります。
お茶を発酵させる!?
お茶の製造法による分類をより詳しく見ていきましょう。
お茶は「非発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」と4つに分けることができます。
お茶の説明をする際には、この『発酵』という言葉がよく使われています。
緑茶は非発酵系で、紅茶は発酵茶、ウーロン茶は半発酵茶です。
お茶独特の発酵
この言葉は、お茶の業界では長く習慣的に用いられているのですが、厳密に考えると科学的な発酵という現象ではありません。
科学的には、有機物に微生物が作用し、その結果として、人間が利用できるようになった場合に発酵と呼びます。
微生物が作用しても、結果として人間が利用できない状態になった場合には腐敗という現象になります。
実は紅茶、ウーロン茶でいう発酵、半発酵は微生物は関係しないので、その意味では発酵とは異なる現象なのです。
発酵とは言いますが、納豆やしょうゆ、アルコールとはちょっと違うんです。
甘み、香り、色を引き出す『発酵』
お茶の製造過程でいわゆる発酵と呼ばれる化学反応は次の2通りあります。
1つ目は、紅茶、ウーロン茶ともに摘んだあとの茶葉の水分を飛ばし、萎れさせるために一晩ほど茶葉を広げて干す作業(委凋)が行われます。
これによって、茶葉中の成分が分解され、化学反応によって甘みや香りがよく出るのです。
2つ目は茶葉を揉む工程(揉捻)です。
ある程度、水分を飛ばした茶葉を機械や手で揉んでいきます。
圧力が適度にかかることで、茶葉中のカテキンが酸化し、緑色から褐色に変化していきます。
このように紅茶、ウーロン茶ができるときには、微生物による発酵は関わっていません。
ここでいわゆる発酵と呼ばれる工程には、茶葉の中で水や酸素が加わって変化する科学反応なので、付加反応と言うのが正しいです。
ただ、一般的に発酵と呼ばれていることを知っておくとツウになれます。
日本と世界では思い浮かぶお茶がぜんぜん違う!?
日本ではお茶と言えば、緑茶を指します。
しかし、これは世界的に見ると一般的ではありません。
日本や中国、ベトナム、ミャンマーなどは、日常的に緑茶が多く飲まれています。
こうした緑茶国を除いた世界各国においては、お茶と言えばだいたい紅茶を意味します。
世界各国での茶の生産量の割合をみると、紅茶は今では茶全体の約7割を占めています。
とくに紅茶はイギリスをはじめ、世界中で飲用されています。
日本における紅茶消費量は緑茶の10分の1程度なので、ちょっと意外に感じます。
中国はウーロン茶というのは勝手なイメージ!?
一方、日本ではウーロン茶が中国茶の代名詞のようになっていますが、じつは中国本土ではあまり飲まれていません。
圧倒的に緑茶の需要の方が高いです。
日常的にウーロン茶が飲まれているのは、台湾です。
日本のお茶消費量は世界〇位!
世界各地のお茶の生産量と一人当たりのお茶の消費量もご紹介しておきましょう。
これは緑茶、紅茶、ウーロン茶などすべての合計値です。
生産量では中国やインドが圧倒的に多いですが、一人当たりの消費量はトルコが最も多く、アフガニスタン、リビア、イギリスと続きます。
日本の消費量は世界で見ると19位です。
お茶が大好きな日本人という印象でしたが、世界ではもっとお茶を飲んでいる国があるんですね!
まとめ
・緑茶、紅茶、ウーロン茶は同じ茶葉を使うが製造法が違う
・製造法のキーワードは『発酵』
・緑茶は非発酵、紅茶は発酵、ウーロン茶は半発酵させる
・ただし、お茶の発酵は微生物とは関係ない
・発酵により甘みや香りや出るようになり、色が褐色になる
・日本でお茶と言えば、緑茶
・世界でお茶と言えば、紅茶
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