緑茶にはものすごい健康効果があることがわかっています。
でも、その健康効果を倍増させる方法があるのです!
緑茶を食べるのです!
『緑茶を食べるとどれだけ健康効果が上がるか?』
『手軽に緑茶を食べるには何を飲めばいい?』
今回は食べる緑茶についてやっていきましょう!
【食べる緑茶】緑茶の茶葉をまるごと食べると健康になる!?お茶の葉をまるごと食べる抹茶は栄養満点!!
お茶を食べると効果倍増
他の茶葉に見られない緑茶の特徴は食べることもできることです。
近年、茶葉を使った料理もいろいろと披露され、飲食店やカフェなどで積極的にメニューに取り入れられています。
日本茶は飲んでもすぐれた効果を期待できますが、食べるとさらにその効果は高まります。
日本茶に含まれる成分の内、お湯に溶けにくかったり、まったく溶け出さなかったりするものがあり、溶け出さなかった成分はそのまま茶葉に残るため、食べることでこれらをまるごと摂取できるからです。
食べることで倍増する緑茶の有効成分
茶葉に含まれる水溶性の成分としては、カテキン、ビタミンC、アミノ酸、糖質などがあり、溶け出さない成分としては脂溶性のビタミンA(βカロテン)やビタミンEの他、食物繊維、たんぱく質、多糖類、葉緑素などがあります。
緑茶の成分について詳しくはこちら

後者の成分は飲んだだけではとることはできません。
お茶を煎じて飲んだ場合、有効成分は30パーセントほどしかお湯に流出しません。
あとの成分はそのまますべて茶殻に残っています。
茶殻に残った成分の中には、不溶性のものはもちろん、カテキンやビタミンCなど水溶性の成分もいくぶん残ってしいますし、ビタミンAやビタミンE、不溶性の食物繊維などのように水に溶けない成分もかなり含まれています。
ですから、緑茶の有効成分をあますことなく摂取するためにはお茶は食べるのがいちばんよいということになります。
抹茶の栄養分が多いのは緑茶を食べているから!?
抹茶は茶葉そのものを石臼で挽いて粉にしたものですから、茶葉の成分をそのままそっくりそのままとることができます。
飲むことで脂溶性の成分もすべて摂取できます。
せっかく栄養成分の豊富な緑茶です。
できれば抹茶のように余すことなく豊富な成分を摂取したいものです。
そこで考え出されたのがお茶を食べるという発想です。
昔は緑茶は食べるものだった!?
緑茶を食べることを茶食といいます。
歴史を辿っていくと、そもそもお茶は飲むものではなく食べるものでした。
世界初のお茶専門書『茶経』では、もっとも薬効のあるお茶の飲み方として団茶を紹介しています。
団茶とは蒸した茶葉をついて固め、天日で乾燥させたものです。
それを少しづつ削って粉末にし、熱湯に溶かして飲みます。
いわば抹茶の前身のようなお茶です。
形こそ違えど、茶葉そのものを食べるのとなんら変わらない方法です。
また、『茶は仙薬なり。延命の妙術なり』と喫茶養生記に書いた栄西が伝えたお茶は、抹茶式でした。
抹茶もお湯に溶いて飲むため、粉末にした茶葉そのものを食べる作法と言えます。
当時はお茶を、薬のように薬効のある健康食品としてとらえていたのです。
また江戸時代の啓蒙学者である貝原益軒はその著『養生訓』のなかで「茶を食べると食を進め、胸を開く」と書き、お茶を食べることをすすめています。
緑茶を茶葉ごと食べると栄養満点
このように食べるお茶の歴史が1000年以上前にはじまっていたのに対し、飲むお茶の始まりは元禄時代末期からです。
お茶づけで知られる永谷園の永谷宗円が煎茶の製法を考案し、喫茶の習慣が広まりました。
お茶は飲むだけでも、カテキンやビタミンCなど水溶性の有効成分が充分にとれます。
しかし、捨ててしまうほうの茶殻には不溶性の有効成分がそのまま残っています。
それなら緑茶を葉ごと食べることによって、水溶性・不溶性すべての有効成分を効果的に摂取出来たら、それに勝ることはありません。
厳しい安全基準を通過している日本の緑茶
とはいえ、茶葉そのものを食べるとなると農薬に関する安全性が気になるところですよね。
緑茶に限って言えば、食品衛生法で定められた厳しい残留農薬基準をすべて満たしていますし、全国規模できれいなお茶づくりの取り組みが行われています。
葉に散布する農薬の使用自粛や製茶加工工程における添加物の使用禁止など、より安全なお茶を作るための数項目を推進し、定期的にチェックしています。
お茶の名産地では、すべての茶園で食べる茶を想定した厳しい農薬の使用基準が設けられており、国内産のお茶であればどれも安心して食べられます。
1日に3グラムのお茶を食べれば、まるごと健康
お茶を食べるといっても一体1日にどれくらいの量を食べればいいのでしょうか?
緑茶の研究が進み、多くの研究者の方々が茶食をすすめていますが、1日にどれくらいの量を食べればいいかについて、さまざまな数字があげられています。
結論としては、大体3~6グラムを目安に食べればよいのではないかと考えられています。
3グラムは小さじで約2杯、6グラムだと大さじ1杯です。
お茶を食べる摂取できる成分量
お茶を食べることの意義は水溶性・不溶性の両成分を無駄なくとれることにあります。
お茶6グラムに含まれる有効成分量は、カテキン類で約0,8グラムです。
カテキンの有効摂取量は1日1グラムと言われますから、6グラムのお茶の葉を食べ、さらに緑茶を1~2杯飲めば、ほぼ有効摂取量のカテキンをとることができます。
煎茶を6グラム食べた場合でみると、不溶性のビタミンAは約430IU摂取できますが、この量は成人男子の1日の栄養所要量の約4分の1になります。
ビタミンCは15ミリグラム摂取でき、1日の栄養所要量の約3割にあたります。
ビタミンB群は6グラムの煎茶では1日の所要量の約1割程度ですが、ビタミンEにいたっては約4ミリグラム含まれていて、1日の所要量のほぼ半分になります。
緑茶は大変栄養が豊富です。
1日の栄養所要量の大半をお茶でまかなうわけではないので、毎日食べ続けることを考えた場合は3グラムくらいを目安にするといいかもしれません。
食物繊維を茶葉で摂る
茶葉を食べることで特筆すべきなのは、食物繊維を丸ごと摂取できることです。
日本茶には食物繊維が豊富で、茶葉100g当たり煎茶でおよそ46g含まれています。
茶葉大さじ1杯6gを料理に使えば約2,8gの食物繊維を摂取できるわけです。
この量は食物繊維が豊富なことで知られるごぼうにも引けをとりません。
ごぼう100gあたりの食物繊維量は5,7gで、4分の1本(1本200g)を1人分の料理に使ったとするとその量は約3gになります。
茶葉も同量です。
1日3グラムのお茶を食べる
緑茶研究の第一人者である静岡県立大学短期大学部の小國伊太郎教授も、1日に3グラムのお茶を食べることを提唱されています。
そして茶食に加え、1日に6杯のお茶を飲めば緑茶カテキンの必要量を満たせると説いておられます。
緑茶は食べてよし、飲んでよしのオールマイティな食材です。
食べる、飲むの両方を暮らしのなかに上手に取り入れて、健康で豊かな生活をおくりたいものです。
茶葉を食べれば、飲むだけではとれない栄養成分をたっぷりとることができ、それだけ健康効果が倍増します。
ぜひ工夫していろいろな料理につかっていただきたいと思います。
まとめ
・お茶を煎じて飲んだ場合、有効成分の30パーセントしかお湯に出てこない
・残りの70%の成分は茶殻に残っている
・緑茶を食べると、その恩恵や効果のすべてを受けることができる
・緑茶を食べる典型は抹茶
・1日3グラムお茶を食べることで、その有効成分を余すことなく摂取できる
・緑茶は食べても、飲んでもオールマイティな食材
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