近年ではお茶の殺菌力が大変注目されています。
また、研究によりお茶のもつ殺菌効果がものすごいと話題になっています。
『緑茶の殺菌力にはどんなものがあるか?』
『緑茶の殺菌力はどれだけ強いのか?』
『お茶が食中毒を撃退するというのは本当か?』
今回は緑茶の殺菌効果についてやっていきましょう!!
【緑茶の殺菌効果】驚異的な緑茶カテキンの殺菌力!!お茶で食中毒を防止し、お茶で殺菌する!!
お茶で食中毒を撃退する
以前、病原性大腸菌O-157による食中毒が全国に広まり、人々を不安に陥れました。
病原菌は目に見えないですから、食中毒から身を守ることはなかなか容易ではありません。
そのような悪玉菌に対して、緑茶が有効とされ、実際にその効果が確かめられています。
とりわけ、緑茶の中のカテキンにその力があり、食中毒菌や腸内悪玉菌を撃退し、細菌が出す毒素に対しても解毒作用が確認されています。
その上、整腸作用のある乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は増やすという願ってもない働きもします。
悪をやっつけ善を増やす。
体にとってこれ以上良いことはありません。
緑茶がO157を殺菌する
昭和大学医学部細菌学の島村忠勝教授の研究グループは1ミリリットルの緑茶の中に1万個のO157菌を入れて、一定時刻ごとに菌の形成のようすを観察したところ、時間が経つにつれてO157菌が減少し、五時間後にはすっかり消滅したのです。
実験で使ったお茶の濃度は普通に飲む濃さのもの(2,5%)と、やや濃いめのもの(5%)の二種類を使いましたが、その殺菌効果はどちらも同じでした。
緑茶のほか食塩水でも同様の実験を行ったところ、食塩水にはまったく抗菌作用が認められませんでした。
緑茶がO157を殺菌する理由として、カテキンが細菌の細胞膜を破壊するからではないかと考えられています。
O157を予防には、食中、食後を中心に普通に緑茶を飲むだけで効果があるのです。
コレラ菌を死滅させる緑茶カテキン
以前から、緑茶が食中毒を防ぐことは知られていました。
島村教授は、一滴の緑茶がコレラ菌の活発な運動を瞬時に止めることを発見しています。
コレラ菌は顕微鏡で見ると、まるで蚊が飛ぶように活発に運動しています。
しかし、そこに緑茶を加えると、一瞬のうちに凝集して、数時間後には死滅します。
マウスを使った実験では、コレラ菌が小腸に定着して5分以内に緑茶を与えた場合、100%有効であり、30分後に与えた場合でも60%の効果があることがわかっています。
コレラ菌を死滅させるほどの強い殺菌力をもつ成分こそカテキンなのです。
腸炎ビブリオなどの他の食中毒菌にも強力な殺菌効果を発揮
緑茶カテキンは、コレラ意外の食中毒にも効果を発揮します。
人の腸管に病気を引き起こす様々な最近に対する緑茶の殺菌作用を調べました。
その結果、日本で発生する食中毒の約40%を占める腸炎ビブリオをはじめ、赤血球を破壊する毒素を出すブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクターのほか、赤痢菌、チフス菌、そして死亡率のきわめて高いボツリヌス菌などに対し、強力な作用があることが明らかになりました。
毒素のはたらきも抑える緑茶カテキン
また、こうした細菌から発生される毒素が下痢や発熱などの中毒症状を引き起こしますが、緑茶カテキンはこの毒素のはたらきも抑えることがわかったのです。
腸炎ビブリオは、日本人の大好きな魚介類にすみつきます。
寿司屋に行くと決まって濃い緑茶が出されますが、それはきっと緑茶が食中毒を防ぐことを昔の人が知っていたからでしょう。
赤痢の治療に緑茶が使われた!?
旧ソ連時代のロシアでは、赤痢の治療に緑茶が使われていたという報告があります。
赤痢菌は緑茶による治療後2~3日で毒の力を失い、患者は5~10日後には完全に回復しました。
緑茶はほかの高価な医薬品にくらべて、より有効で永続性があったということです。
ロタウィルスの増殖を抑える
また、発展途上国では毎年多くの乳幼児がウイルス性の下痢に罹患します。
これは、主にロタウィルスが原因と言われていますが、サルを使った実験では、ほんのわずかな緑茶でもロタウィルスの増殖を抑えることが明らかになっています。
呼吸器の病気の原因となる菌にも効果あり
緑茶カテキンは腸内で増殖する細菌だけでなく、呼吸器の病気を引き起こす菌に対しても強い殺菌作用があることが明らかになってきました。
小児病の百日咳菌や肺炎を起こすマイコプラズマ菌に対するカテキンの殺菌効果を調べた結果、強い効力があることをつきとめました。
とくにマイコプラズマ菌は、緑茶に触れるだけで死滅します。
院内感染の原因であるMRSAにも強い殺菌作用
また院内感染の原因であるMRSAことメチシリン耐性黄色ブドウ球菌は、多くの抗生物質がまったく効かず患者たちを不安に陥れています。
このMRSAに対しても、緑茶カテキンの強い殺菌作用が実証されています。
それもなんと、日常飲んでいる濃さの緑茶のわずか1ミリリットルで、MRSA一万個を二十四時間で殺菌してしまうのです。
抗生物質に負けない効力を発揮する緑茶
MRSA肺炎の患者を治療した臨床結果も報告されています。
これからは、ますます緑茶カテキンのこうした効果が見直され、医療現場で活用されていくことでしょう。
薬と違って副作用のない緑茶が、抗生物質に勝るとも劣らない効力を発揮するとはすばらしいことではないでしょうか。
胃潰瘍や胃がんのもと、ピロリ菌にも有効
さらにカテキンには、ピロリ菌を撃退するという素晴らしい力もあります。
ピロリ菌は胃の中に巣くっている細菌で、胃潰瘍や胃がんの原因と考えられています。
特に胃がんとの関連性がクローズアップされています。
ピロリ菌の感染率はすさまじく、世界人口の50%、消化性潰瘍患者の80~90%にまでのぼります。
治療法としては特殊な薬と抗生物質の投与ですが、問題は大量投与でなければ成果が出ないことです。
そこで緑茶が注目されました。
お茶の生産地では胃がんの死亡率が極端に低いことと、日本茶には抗菌作用があることがその理由でした。
そこで、カプセル化したカテキンを使って人への実験を行ったところ、半数以下の患者にピロリ菌活性の低下が見られ、中には完全に除去された人もいました。
胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因であるとされているピロリ菌に対しても、お茶の中に含まれるカテキンが殺菌作用を持っていることが判明しました。
お茶をたくさん飲む静岡県中川根町は全国一、胃がんの死亡率が低いのは、おそらくこのためでしょう。
胃がんの原因とも考えられるピロリ菌に対する抗菌作用が強いということは、画期的な発見であり、お茶の持つ新たな可能性が大きく広がっています。
薬の大量投与は副作用などの面からも不安ですが、その点、緑茶なら安心です。
摂りすぎることがないうえ、毎日おいしく飲んでいるうちに知らぬ間に有害な細菌をやっつけてくれるのですから、これほど良いことはありません。
まとめ
・カテキンは食中毒菌や腸内悪玉菌を撃退し、細菌が出す毒素にも解毒作用を発揮する
・にも関わらず、整腸作用のある乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は増やしてくれる
・O157等の食中毒予防には、普通に緑茶を飲むだけで効果がある
・緑茶カテキンは食中毒を引き起こす細菌に対する強力な殺菌力をもつ
・カテキンにはコレラ菌を死滅させるほど強い殺菌力をもつ
・赤痢、ロタウィルス、マイコプラズマ、MRSA、ピロリ菌にも強力な殺菌力を発揮
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